パワーポイントのデータそのものを商品にしたのが、ちょうど10年前。
以来、たくさんのお客さまのプレゼンに携わってきました。
で、「結局はこーゆーことだわな」と思ったことが3つあります。
詳しく書くと1冊の本にできちゃうので、ここでは簡単に。
1)オーディエンス視点で考えれば届く。
まずはこれ。プレゼンはオーディエンス視点に徹すること。
そもそもプレゼンは、「プレゼント」と同じ。
相手に喜んでもらってナンボです。
ですから、自分の主義主張を押しつけるものはプレゼンではありません。
かと言って、プレゼントは「無償の愛」でもありません。
そう、なんらかの“見返り”を求めるもの。
「下心」込みなのがプレゼントであり、プレゼンです。
それはそれでまったくOK。そのうえで、相手に喜んでもらえれば成功なわけです。
だから、あくまでも相手のことを考えてプレゼントを選ぶ=プレゼンを考える。
下心はいったんどこかに置いておいて、100%オーディエンス視点で考えてみる。
これがプレゼンのコア(核)となることは確かです。
2)本当に思っていることしか伝わらない。
プレゼンの原稿を丸暗記してうまくしゃべること……にはあまり意味がありません。
いくらロジカルにプレゼンを組み立てても、プレゼンターが本当にそう思っていないと、言葉は気持ちいいほど何も残さずさらさらと流れ去っていきます。
多少つっかえたり噛んだりしても、本当に思っていることは相手に伝わります。
逆に、下心全開だと、それも伝わってしまいます。
上述した1)にも関係しますが、オーディエンスのためを考えて本当に思っていることを話せば、プレゼンターは自ずと情熱的になり、その熱がオーディエンスにも必ず伝わります。
プレゼンはテクニックではなく、パッション。
ちょっと考えてみれば、当たり前のことかもしれませんね^^
3)プレゼンターとスライド、どちらも“主役”。
よく言われること。「プレゼンターが主役。スライドは脇役」。
この考えのままプレゼンをしていたら、永遠に伝わることはないでしょう。
これも「オーディエンス視点」で考えれば、よくわかります。
スライドを使用したプレゼンの場合、ほとんどのオーディエンスは「スライド」を見ています。それはスライドが「提示」されるからです。
スライドを使う以上、オーディエンスの眼前で繰り広げられるものすべてが「プレゼン」であり、プレゼンターとスライドに主役脇役の区別はありません。
ですから、眼前にでかでかと提示されているスライドを見るのは、オーディエンスにとって当然であり自然なことなのです。
逆に言えば、プレゼンターの話に耳を澄ませてもらいたいときは、プレゼンターを見てもらう工夫が必要となります。
プレゼンターとスライドがどう絡むか、もしくは絡まないか。どちらが動くか動かないか。
オーディエンスの視線をうまく誘導し、伝わりやすくすることが、プレゼン全体として非常に重要となります。
プレゼンター+スライド。その舞台装置をいかに組み立てていくか。
これをシナリオ段階からしっかりと考えておけば、印象的で記憶に焼き付くプレゼンになります。
以上、僕がプレゼンについて知っている3つのこと。
ちょっと考え方を変えるだけでも、プレゼンはがらりと違ったものになるでしょう。