スライドプレゼンにおいて悩ましい問題は、「配付資料をどうするか?」ということでしょう。
世の中の多くのプレゼン(学会や発表会も含む)では、配付資料を気遣うあまり、「配付資料をそのままスクリーンに投影する」という事態が生じています。
しかし、これではスライドが説明的――つまり文章だらけになってしまい、「見えない」「読まなければならない」「プレゼンターの必要性を感じない」という、つまり“まったく伝わらないプレゼン”に陥ってしまうことになります。
とは言え、投影用のスライドとは別に配付資料を作成するのは手間も時間もかかる……。結果、スライドも配付資料も同じレベルで“伝わらない”ものになる……。
そもそも「配付資料」の役割はなにか? それは、プレゼンの「再現」と「再確認」です。配付資料だけで事足りるなら、時間と場所を指定した生身のプレゼンは不要。配付資料だけをメールで送れば済むでしょう。
しかし、人はリアルに対面したプレゼンをします。なぜか? それは、面と向かって語りかけることが、もっとも伝わりやすいからです。ここで伝わるのは論理的なことではなく、むしろ“熱量”とでも言える想いや情熱。
プレゼンは「相手の行動を促す」もの。ナマの言葉や、その場を共有する空気感がないと、相手は動きません。
話を戻しましょう。配付資料について。上述したように配付資料は、ともすれば「紙という物質」に成り下がります。現実として、持ち帰った配付資料を興味深く読み返す人は多くはないでしょう。配付資料はあくまでもナマのプレゼンを「再現」「再確認」するためのもの。配付資料だけですべてを伝えることはできません。
では、配付資料をどのようにつくればいいのか?
実は非常に効果的なつくりかたがあります。それは、
「配付資料をWordでつくる」という方法。
具体的なやりかたは、すばり、
①パワーポイントの「ノート」部分にスピーチ・ポイントを書く
↓
②「Word」に書き出す
「ノートにスピーチを書く」、それを「Wordに書き出す」。ただそれだけ。
■(例)Wordに書き出した配付資料
パワーポイントからWordに書き出すことで、「スライド画像」と「ノート原稿」が印刷できるようになります。ノート部分は、Wordで編集が可能。A4サイズの紙に4スライドほど表示できるので、印刷枚数も抑えられます。
《操作の手順》
■パワーポイントの「ノート」にスピーチ原稿やスライドの概要を記載する
↓
■「ファイル→エクスポート」で「配布資料の作成」を選択
パワーポイントのノート部分にスピーチ原稿やスライドの概要を記述することは、リアルなプレゼンの準備にも有効です。
プレゼン本番を「再現」「再確認」できる配付資料も同時につくれるので、非常に効率的でもあります。
スライドプレゼンの配付資料は、ぜひ「ノート→Word」で。
かなーりオススメです^^