いきなりで恐縮ですが、あなたは昔話『桃太郎』のストーリーを語ることができるでしょうか? 『桃太郎』がダメなら、『浦島太郎』はいかがでしょう? あるいは『さるかに合戦』でもかまいません。
おそらくみなさんは、これらすべてのストーリーを思い浮かべ、相手に伝えることができるでしょう。しかも、臨場感たっぷりに。その光景が目に浮かぶように。
そう、あなたがストーリーを思い出そうとしたとき、脳裏にはその「ビジュアル」が目にも鮮やかに浮かび上がっているはずです。
川を流れてくる大きな桃。
ウミガメにまたがり海へ潜っていく青年。
おむすびを持ったカニ。etc…。
「あんなカタチの桃は見たことない!」
「そんなに潜ったら溺れてしまう!」
「カニがどうやっておむすびを?」
……なんて疑問は湧いてきません。ただ実直にあのイメージを脳は描いたはずです。
逆に、ビジュアルを思い浮かべないほうがむずかしいでしょう。
なぜか?
おそらくそれは、これらの昔話を「絵本」や「テレビアニメ」を通じて触れた経験があるからでしょう。
昔話に限らず、好きなドラマや映画のワンシーンを、あなたは簡単に思い浮かべることができるはずです。
つまりストーリーは、ビジュアルによって記憶に定着するのです。
人は多くの情報を「視覚」と「聴覚」から得ています。
とりわけ「視覚情報」は印象に残りやすく、記憶に留まり、人を行動に駆り立てます。
この視覚情報を効果的に取り入れられるのが、パワーポイントによるビジュアルプレゼンテーションなのです。
ですから、スライドプレゼンテーションにおいて、「文章を読ませる」ことは(意図的な場合を除いて)避けなければなりません。
「読ませる」のではなく「見せる」ことが大切です。
箇条書きも、そう。文章にするのではなく、短い「フレーズ」として視覚的に訴求したほうが、文字をビジュアルとして記憶に焼き付けやすくなります。
一口に「プレゼン」と言っても、いろんな種類があります。
プレゼンターのスピーチだけによるもの。
スピーチと板書によるもの。
実物を使ってデモンストレーションするもの。
そして、スライドを使うもの。
スライドを使う場合は、それが「ビジュアルプレゼンテーション」であることを意識しましょう。
なんのためにスライドを使うのか?
それは、ストーリーをビジュアルとして脳裏に焼き付けるため。
以前のブログでも書きましたが、プレゼンターとスライドは、どちらも“主役”です。
プレゼンターとスライドが「ビジュアル」として一体化することで、ストーリーの訴求力がアップします。
記憶に焼き付けるためのビジュアル。
それは単なるイメージ画像だけではなく、「謎と回収」を意識すれば、もっとおもしろく、効果的に使えるでしょう。
ビジュアル。大切。ゼッタイ^^