※超長文です。
さあ、いよいよ2020年1月14日に発売となる拙著『そのま(後略)』。
簡単に申しますと、「企画書を時短かつ効果的につくれる素材本」です。
36個の基本テンプレートと50個のパーツ素材、82個の背景素材が入っています。
素材が入ったCD-ROMを付属していますが、ダウンロードでも入手可能です。
さて。なにから話そうかな。
あ、まずは本書のダイジェスト映像をご覧ください。
ちなみにこの映像に使用した本書収録のキャプチャ画像、881スライドあります(笑)
前付けに掲載されている解説画像も含めれば、1,000枚近くキャプチャしたことになります(泣)
と、まあ、それはどうでもいいのですがいやどうでもよくない!
てことで、本書制作におけるもろもろをテキトーに長~く書いてみますねw
さらば素材集
2012年1月に『コピペで使える! 動くPowerPoint素材集1000』(翔泳社←6刷までスマッシュヒット。この分野ではね)を発刊して以来、4冊の「パワポ素材本」をつくってきました。(うち3冊が台湾と中国で翻訳出版されています)
が、思い起こせばこれまで出版した10冊すべて、「素材をダウンロード」できるようになっているんですよね。言わば「素材ありきの出版」です。
で、この「素材」をつくるのが、下血しつつアル中になるほどたいへんなんですよぉ!
素材集って、「数」を求められるんです。
そして対価としていただける印税は、日常仕事の20分の1くらい(←マジ数字です)。
んじゃ、なぜそんな割に合わないことをしているのか?
3つあります。
1つは、自身のプロモーションのため。紙の本を出版するって、めちゃくちゃ難しいんです。こちらは一切お金を使わず、出版社さんの“賭け”にお応えすることって。売れないと出版社さん、マジでつぶれますから。
そーゆー意味でも、いま紙の本を出版できるということは、僕自身にとって大きな宣伝材料となります。とりわけ、今回は「技術評論社」さんとゆー超ブランド&信頼のある出版社さんですから、僕としては書かせていただいたことに本当に感謝しかありません。
実は、2016年に出版された『まるごと使える! PowerPoint プレゼンデザイン素材集 Z』(技術評論社)で、素材集は最後にしようと思っていたんです。だから「Z」。
でも今回、お世話になっている技術評論社さんからのご依頼ということで、ほんとのほんとに最後の素材集をつくらせていただきました。
かなりわがままを言ったので、出版まで1年以上かかりました。それでもぶつかりあいながら応えてくれた技術評論社さんは、やっぱりすごいな、と思います。
でも、もう素材集はつくりません。こんなおっさんがいつまでも「典型」をバラまいていたら、後進に悪影響を与えてしまうので。びっくりして心臓が止まっちゃうようなものを、若い人にゼロからつくってほしいと思う今日昨日この頃です。
話がどこまでも逸れていきそうなので、2つめ。
それはもちろん、みなさまのお役に立ちたいから。
PowerPointって重要なシーンで使われるツールであり、世界中で使われていて、これからも「しっかり伝える」ために必要だと考えます。ま、悪い使い方ばかりが喧伝されてますけどw
でもほんと、「伝わるように」ってことを意識すれば、強力なツールなんですよ。
その「伝わる」ためには、「考える」ことがいちばん大切。
パワポのテクニックとゆーのは、その「考える」ことを具現化するためのみに存在すると思います。テクニックがすごくても、大本に「考え」がなければ無用の長物。チラシの裏に手書きしたほうが伝わるかもしれません。
だけど、本当に考え抜いて伝えたいことがはっきりしていれば、PowerPointは力強い味方になってくれます。そのためには、少しの知識が必要。PowerPointで可能となる「表現」を知っていれば、カンフー映画の相棒くらい心強い味方になってくれるでしょう。
だからこそ、自身で編み出した技が必要になります。
素材のコピペは、あくまでも天井止まり。そこを突き抜ける技を身につけていただきたいので、天井までの素材を提供している所存です。
最後に3つめ。
ぶっちゃけ、「紙の本」が好きなんですよねー。
前述した「1つめ」とかぶりますが、紙をパラパラとめくることによって、“インスピレーション”が湧いてくるんですよね。これはアナログならではの特権。
分厚くて重たい紙の辞書を長年使っていたおっさんとしては、本来探していた言葉よりも、その隣近所の言葉が気になったりするわけです。まったく本線を外れていることに興味が湧く。これってデジタルの「おすすめ」ではゼッタイにできないですよね。
そーゆー意味でも、定型の「素材」ってものを、上下前後左右考えて使っていただきたいのです。こちらの意図とは関係なく。
素材集って、確かに便利ですし、作り手としても便利に使っていただきたいですし、確かに「そのまま使える!」のですが、前述したとおり、「考える」ってことと合わせて使っていただきたいな、と。
その「考える」ということを削いでしまう危険性があると感じた以上、本書で素材集はジ・エンドにします。
みなさま。
ぜひ本書を、インスピレーションの源としてご利用ください。
もちろん、「そのまま」使っていただいても結構ですし大歓迎です。
ただ、企画書の“中身”は考え抜いて、伝わりやすくしてください。
本書はその「器」として機能します。
器に引っ張られて、中身をよりよくすることが、本書の目的です。
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